2004-10-12(Tue)

[christianity] 『境界線』

ヘンリー・クラウド、ジョン・タウンゼント『境界線』のページ
<http://nakamurafamily.net/boundaries.html> (中村佐知、中村昇共訳)

会社から10分とかからないCLC Booksお茶の水にて購入。まだ途中までしか読んでいないけれど、お勧め。

[work] 『「命の限り、人は仕事」 新藤兼人が語る仕事-2 納得するまで求めて、得た自信』

『「命の限り、人は仕事」 新藤兼人が語る仕事-2 納得するまで求めて、得た自信』
<http://www.asahijobplatz.com/column/?id=39>

以前の上司に教えてもらった『アサヒジョブプラッツ 東日本版』の『…が語る仕事』シリーズを継続して読んでいる。

巨匠溝口健二監督に師事していた時に、私は自分のシナリオを認めてもらえませんでしたから、大変に落ち込み、書くことをやめて根本からやり直さなくてはと考えました。そして『近代劇全集』43巻と『世界戯曲全集』の両方合わせて80巻を約1年半かけてすべて精読したのです。まるで学校へ行ったようなものですが、世界にはすごい人がいる、及びもつかない戯曲家が既に多く存在している、と目を開かされました。

「根本からやり直す」勇気は時に必要なのだなあ。

ここで私がつかんだのは、世界の優れた人は自分の生き方や生活、考え方を命懸けで書いているということでした。絵空事でもなければ、客観でもない。作者自身が痛切に感じ、考えた事が表現されていなければ本物ではないと、この読書でやっと理解出来たのです。

私は幸運でした。どん底の精神状態で、仕事もない。裸の心と時間だけがあったおかげで本物を受け入れる素地が出来ていたのです。また、何年も現像所でフィルムを触っていたからこそ、実物をこの手で知っているという誰にも負けない誇りも持てた。人間のドラマを描く本物のシナリオ、そしてそれを焼き付けるフィルムの手応え。さらに徴兵されても無事に帰国出来た強運も感じて、自信が内側から力強くみなぎってくるのを実感していました。

人は面白いものです。自信を持ち、納得して心の軸が定まるといくらでも仕事が出来る。私は5年間で50本以上のシナリオを書き、評価され、さらにその後も次々と書きたいテーマがあふれてきました。私自身から発露する思いを掘り下げれば、それは人の真実と重なる。考えはそこに行き着いたのです。

実は、自分には健全な意味での自信がまだ身についていないことを知っている。もう少しこの課題を追求しようと思っている。


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